最新マルチエンジンへ挑戦!2025筑波マイスタートロフィー参戦記~Part1

2025年6月22日日曜日。

ツクバサーキットで行われた2025筑波マイスター・トロフィー、マイスター250クラス。

このクラスはエンジンによってクラス分けされ、シングルエンジンはマイスター250(S)クラス、多気筒エンジンはマイスター250(M)と、マルチエンジンクラスにはYZF-R3などの排気量やエンジンパワーのアドバンテージを持つ車両も出場するため、エンジンの気筒数によってクラス分けされたクラス混走でのレース。

そのマイスター250(S)クラスに、シングルエンジンの限界に挑戦するためKRT Factoryチームから参戦した、一台のZ250SLレーサー。

 

今からさかのぼる事数カ月前、、、

一基の250ccシングルエンジンがIMCへ持ち込まれました。

エンジンチューンナップのご依頼でお預かりした250ccシングルエンジン。

チューニングパーツのラインナップが少なく、部品のポテンシャルだけで簡単にエンジンパワーを引き上げることが難しいこのエンジンですが、最新マルチエンジンとの混走レースにおいて、あえてディスアドバンテージを持つこのエンジンでの挑戦に、私鈴木も少しばかりご協力させて頂きたいとの思いで作業がスタートしました。

前述の通り、チューニングパーツのラインナップの少ないこのエンジンではあるものの、チューニングエンジンの製作でお預かりした作業ですので、結果にもコミットしなければなりません。

そのためにまずは、各部の状態を把握するためにも必要になってくる、測定用の治具の製作から開始。

エンジンの現状を知るために必要な治具をセットして、慎重に分解していきながら内部を考察していきます。

シリンダーはアルミメッキシリンダー。

上面を研磨しての圧縮比UPは現実ではありませんので、他の方法を考察していきます。

シリンダーヘッド周りも隈なくチェック。

パーツのポテンシャルで補えない部分は、加工の精度、そして組付けの精度を高めることで、一つ一つの些細な作業では違いは分かりにくいことなんですが、やがて小さな違いが大きな違いを生むことになります。

これはレースでの使用用途のエンジンだけでなく、損失していたエンジンの諸損失を削減しエンジン本来が持つ素性を少しでも引き出すことができれば、エンジンに掛かる負荷も減り結果的にエンジンの寿命にも影響してきます。

これはストリートで使用されるエンジンでも見るべきポイントは全く同じなんです。

その上で、ご予算の枠の中でいくつかのメニューを作製し、作業の内容をご相談し決定していくことになります。

それでは最新マルチエンジンに挑戦する250シングルレーサーエンジン、製作スタートです!

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