A16-ZracerⅢ

フレーム
Z系フレームと比較して、ヘッドパイプ位置２０ｍｍBACK、４０ｍｍDOWN、ヘッドパイプベアリングサイズは３０ｍｍから３５ｍｍに大径化される。スイングアームピボット部をタイヤ外径に合わせ可変できるようにアタッチメント式に変更した、１７インチホイール専用フレームディメンション。
材質はSTKM13C、冷間引抜鋼菅シームレス材を使用。パイプレイアウトはツインスパー＋ダブルクレードルに変更され、筑波サーキット５８秒フラットLAPを可能とする高い運動性能とフレーム剛性を得ている。

エンジン
Zシリーズ最大出力を誇るGPZ１１００シリンダーヘッドにコンバート。ヘッド周りの各パーツは徹底的に軽量化が施される。シリンダーはDiNx製軽量スペシャルピストンを組み込み１２６０ｃｃまで引き上げられている。レーシングフィールドでの強大なエンジンブレーキに対処するためクランクケース内部にも大幅に手が加えられている。パワーユニットは最大後軸出力１５２PSをもたらす。

フューエルインジェクション
燃料供給装置をフューエルインジェクションにコンバート。燃料供給、点火時期など全ての制御をフルコンピューターにて制御。大口径化されたスロットルボディはエンジンの出力を余すことなく引き出させる。レーシングフィールドでは不可欠なクイックシフターや各部の制御も細かく設定され、レーシングフィールドでの開け始めの繊細なスロットルワークを可能とさせている。

アルミガソリンタンク
一枚のアルミ板から切り出した叩き出しアルミタンク。歴代のサンクチュアリーZレーサーのスタイルを引継ぎ、ZⅠ-Rのスタイリングで製作。軽量さは勿論のこと、タンク容量も確保される。ZⅠ-Rのスタイリングを損なわぬように、角部はレーシングでのニーグリップのホールド性能を確保するため大幅なR形状としている。フューエルポンプはインタンク式。

スイングアーム
必要な剛性を確保しつつも限界まで軽量化されたチェーン引きブロック。およそ２０％の軽量化を実現。バネ下重量の軽量化に貢献される。

カウリング
カウリングは早急なピット作業に対応するため全てクイックリリース式となっている。最も冷却効果の高い車体前方にオイルクーラーを増設し、過酷な空冷エンジンの油温低減に大きく貢献している。シートポジションをすぐに変更できるようシートカウルの台座から高さ調整が可能となっている。

シャーシ
車体各部の装備品は必要最低限で構成され全て専用設計されている。整備性を考慮しつつも、レーシングフィールドでの過酷な条件下での高い耐久性も求められるため、軽量かつ高い耐久性を必要とされる。