熱中症に注意したい、身体と空冷エンジン

セミの鳴き声が聞こえ出しましたね。

サンクチュアリーIMCの鈴木です。どうもみなさんこんにちは。

今年も本格的な夏がすぐ目の前まで迫ってきていますが、みなさん体調は崩されていないでしょうか?

私鈴木はというと、

夏の到来を前に、、、工場のエアコンから、、、冷風が出てこない、、、IMC警戒アラート、発令中です。

まずい、、、非常にまずいですね、、、。

すぐに点検に来てもらいましたが、どうやら修理までは時間が掛かってしまうらしく、その間、激暑の工場でスポットクーラー(DiNxからのお下がり)だけが頼りです。(事務所のエアコンはキンキンに稼働していますので、お客様には快適にお過ごしいただけます)

自宅の扇風機も壊れるし、、、なぜこのタイミング?って感じなんですが、そこはI’m a craftsman、(https://intec-mc.com/20240531/)夜な夜な分解してみます。。。

しかし、いかなる時も思想は現実化する、私鈴木の好きな名言です。何事もイメージを持ち行動することが大切だと日頃から考えています。

私鈴木、自宅に帰り湯船に水を張り、この熱い身体を水風呂に沈めるときに、私の脳内ではより身体を整えるイメージを強めるために、刀身を鍛えるために真っ赤に燃え上った炉に刀を入れて熱し、その後冷水につけて一気に冷やす、刀剣になった気持ちで水風呂を堪能している鈴木です。

 

 

さて、、、本日も整いました。

 

寒いよりは暑い方が好きな私鈴木(雪国出身冷え性の夏男)には、暖かくていい季節になってきたんですが、しかしその反面、しっかり身体も冷やして熱中症には気を付けたいところです。

外気温が高くなってくると、空冷バイクのオーナーの方々も気になってくるのは、エンジンオイルの温度ではないでしょうか?

人間の身体同様、エンジンも適度な温度を管理することが重要なんですが、なかなかエンジンオイルの性能だけで温度を安定させるのは難しいことでもあります。

そこで活躍してくれるのが、こちらのパーツです。

私鈴木が本店在籍時に作図から製品開発に携わり、Zレーサー3号機での過酷な走行テストを重ねてリリースされた”ビレット深底オイルパンKIT”です。

直接的な冷却効果を上げるには、オイルクーラーの容量を増やしたり、レーサーでも効果の高かったオイルクーラーの二基掛けなどですが、では一体、深底になると何のメリットがあるんでしょうか?

オートバイは、加速時、減速時、旋回時、さまざまなシーンで車体姿勢が変化する乗り物です。したがって、エンジンオイルやブレーキオイルなどの液体の油面も、走行状態によって常に変化しています。

これはZレーサー3号機に使用していたパルシングカバーです。

深いバンク角を稼ぐために大幅にカットしてありますが、それでも上部が削られているのがお分かりいただけるでしょうか?

これは、右コーナーの多いつくばサーキットコース2000、第二ヘアピンの旋回中に削られたものなんですが、逆にカバーが当たるところをバンクセンサーにして走っているということですから、なんともすごい話です。

ロガー上でバンク角度を計測していませんのでアナログな測定になりますが、タイヤ接地面からカバーが接触するところまで、サスペンションのストロークがバンプタッチする付近までサスペンションを使った時と仮定すると、およそ45°前後、車体の傾きが想定されます。

実際に測定したオイルポンプやオイル油面の実寸法を元に、簡易的に数値を当てはめどれくらい油面の変動があるのか、検証してみました。

Z系のエンジンを垂直にした状態での、クラッチカバー点検窓の上側ラインに合わせた時のエンジンオイルの油面高さです。

オイルポンプのオイル吸い込み口は、しっかりとエンジンオイル内に収まっています。

そしてこちらがつくばサーキットコース2000、右コーナーの第二ヘアピンをパルシングカバーが接触する付近まで、サスペンションはバンプタッチする付近までの車体の傾き角度で数値を入れてみました。

補足しますと、実際のところは旋回中の車体には横Gが掛かかります。その時の車体に掛かる横Gに対し、液面に掛かる傾き角度が何度、という計算式があるんですが、ここでは割愛し静止状態での車体の傾きでの検証となります。クランクケース内もいくつも壁があるため、走行中は油面がすぐに水平になることはありませんが、静止状態での液面の傾斜ということになります。

これで見て頂くとお分かりでしょうか?位置的にはわずかにオイル吸い込み口が油面から外れてしまいます。

旧年式車のオイルパンは皿のような形状のものが多く、車体の傾きにオイル油面が大きく影響を受けてしまいます。

さらにサーキットのコーナーにはカント(路面につけられた傾斜)がありますから、これよりもさらにオイル油面の変化がある可能性があります。

いずれにしても、部分部分でオイルの吸入口から外れてしまうことになると、そこからエア噛みしてしまいオイルポンプの吐出圧や流量が低下してしまいます。

その結果、エンジンオイルを冷やす効果も低減してしまうんです。

これはサーキット走行を基準に数値化していった検証となりますので、あくまでも参考値としてのものになるんですが、限界走行時では起こりうる状況と言えます。街乗りのオートバイであっても、シーンによっては近い状況になりうる可能性もあるでしょうから、オイルの吸い込み口はなるべく低く、オイル油面の影響を受けないようにすることで、効果的なオイルの冷却につなげることが、この深底化の目的なんですよね。

これから来たる真夏日の空冷エンジンでの油温が気になる方、真夏の熱中症対策、今から始めて見てはいかがでしょうか?

私の対策は、まず扇風機から、、直しますか、、、。

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