
エンジンの性格を決める、オイルクリアランス。
サンクチュアリーIMCの鈴木です。どうもみなさんこんにちは。
今年もあっという間に5月に突入しましたが、みなさんお変わりないでしょうか?
私鈴木は、この冬期間中にお預かりしていたエンジンメンテナンス作業、選手権レースやテイスト車両のエンジンメンテンナンスなど、数多くのエンジン作業させていただいておりましたので、今回はエンジンネタに触れてみたいと思います。
みなさんが普段オートバイに乗っている時、スロットルの操作通りにエンジンが回ってくれると、このエンジン気持ちいいな!とか、このフケ上がりおもしろいな!とか、エンジンのフィーリングで感じたりする場面が多いのではないでしょうか?
きれいに回るエンジンは、吸排気のコンディションが完調だったり、点火ユニットのコンディションも関係したりしますが、エンジンそのものの素性によっても大きく左右されることも多いんです。
エンジンそのものできれいに回るエンジンにするには、クランクシャフトの曲がりを修正して芯を出したり、ウェイトの重量差を揃えて重量バランスを調整したりといった加工が一般的なんですが、その他にも、クランクシャフトの組付け時に設定する、オイルクリアランスの数値によってもエンジンの素性に大きく影響します。
オイルクリアランスとは、プレーンベアリングが使用されているクランクシャフトとプレーンベアリングの間に存在する隙間のことを指し、この隙間はエンジンオイルが流れるためのスペースで潤滑と冷却の役割を果たします。
このすき間の中に潤滑油が潤滑膜を形成して摩擦を軽減し、潤滑膜によって軸と軸受の面が直接接触しないため、摩耗しにくい、振動や騒音が少ないなどの効果が得られるんです。
そのため、この潤滑膜を保持するためには、潤滑油が入り込むための適正な数値の隙間があり、適切なオイルクリアランスが確保されていないと、エンジンの性能や耐久性に悪影響を及ぼす可能性があります。
オイルクリアランスは、クランクシャフトの摩耗状態や使用するクランクケースによって数値が変化しますので、プレーンベアリングの厚みが違うものが何種類か存在しており、その中から適正なすき間になるように組付け時にプレーンベアリングの厚みを設定する必要があります。
メーカーが定める標準値に納まる数値に設定する必要があるんですが、実はこの数値の限度値が結構幅広く記載しています。
すき間ゲージで測定した場合は、大きくこの範囲内に収まっていることは確認ができるんですが、、、
実はプレーンベアリングは、全ての箇所が同じ厚みではないんです。
衝撃による打音などを防止するために上下方向のクリアランスを大きくできないため、水平方向の内径を大きくして潤滑作用を高めると共に組付けを容易にするため、ベアリングの張りを確保するために、中央部分よりも合わせ面部分の肉厚が薄く作られているんです。
そのため、すき間ゲージでの一カ所だけでの測定では、どこのすき間を測定しているのかの判断が難しくなってしまいます。
そのためIMCでは、数値を正確に判断するために、実際の内径、外径を何カ所も測定し、実際にはどこが0.00何mmなのか、を判断しています。
数値を正確に判断することによって、場所によってのオイルクリアランスのバラつきを最小限に抑え、エンジンオイルの圧送ムラが極力バラつかないように調整することが可能になります。
測定したその後、では0.00何mmに設定するのか、という事になるんですが、
どんな環境で使用されるのか、どんなエンジンの素性にするのかによって、ここから先の考え方は、どんなエンジンオイルを使用して、どんな風にクランクシャフトを回すのか?ということになり、実際にエンジンを創るエンジンチューナーさんそれぞれの考え方によって、数値が設定されていくことになります。
このあたりの数値設定によって、エンジンの性格も変わっていくことになるんですよね。
IMCでのエンジンメンテナンスは、旧年式車から現行車両、ストリート車両からレースユース車両まで幅広くご対応しております。
お客様それぞれのご使用用途、ご予算に合わせ、適正なエンジンメニューをご提案させていただいておりますので、エンジンメンテナンスなどご検討されている方、車種問わず弊社ホームページCONTACTからお気軽にお問合せください。
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