
5月のテイストオブツクバへ!空冷レーサーエンジン製作記~Part 2
5月11日に開催される、テイストオブツクバSATSUKI STAGEに向け始まった、XJR1300レーサーエンジン製作プロジェクト。
まずはライダーからのインフォメーションを元に、9万km走行したエンジンを全分解し履歴や摩耗具合を細かく診断していきます。
通常通り、まずはカムシャフト回りから確認していきます。
タペット回りの寸法を把握しておくことで、どれくらいの加工マージンがあるのかを予測することができます。
そうしておくことで、どれくらいの寸法感になるのかを把握すると共に、必要な加工と不必要な加工、ご予算の枠の中で必要以上の加工コストを抑えることにもなりますから、ストリートエンジンでもレーサーエンジンでも、必ず把握しておく必要があります。
各部の寸法を隈なくチェックしながら、
状態を確認していきます。
分解したときでしか判断できないことが数多くありますので、
慎重に作業を進めていきます。
全分解したところでさらに各部の寸法を測定し、エンジン内部の寸法感をチェック。
エンジン出力を上げるには圧縮比UPは必要不可欠な要素となりますので、現状の圧縮比を把握し、限界値はどこなのかを模索していきます。
現状の状態を認識したところで、今回構想している仕様でシミュレーションしていきます。
そしてここから、ターゲットにしている圧縮比の設定を構想。
このXJR1300のエンジンは、販売されているチューニングパーツが少なく、これを替えるためにはこの部品を製作しなければならないなど、メニューによっては比較的コストが高くなるケースがあります。
かといって、レーシングユース向けのエンジンの製作ですから、チューニング作業の結果にもコミットしなければなりません。
エンジン製作工程のメニューを模索するためにも、この工程は大切な作業となってきますので、ここからいくつかメニューを作成し、ライダーとエンジンの方向性を模索してメニューを決定していくことになります。
これはストリート車両のエンジンメンテナンスの考え方も同様で、みなさんそれぞれのご予算の枠の中で、最も最適なメニューをご提案するためにも、まずは現状を把握しておくことが重要な工程となるんです。
このエンジンもまた、ライダーのエンジンの使い方やマイレージを踏まえつつ、エンジンの仕様を決定していきたいと思います。
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